納涼できない日々

朝起きてトイレに行き体重を測る。
洗濯機を回したあとに朝食を食べる。
食べ終わる頃に洗濯が終わる。
洗濯物を干す。暑い。これだけの作業で汗が出る。
皿を洗い終わってから一服してひと息つく。


ニュースを見る。内容はわからない。きっとあってないようなものだろう。
飽きたらテレビを消してネットサーフィンをする。
それに飽きる頃にテレ東で午後のロードショーがやっている。
面白そうな映画だったら見る。そうでなかったら再びテレビを消してネットサーフィンをするか、弦が少ないから楽そうという理由で手を出したベースを練習する。
全く上手くならない。上手くいかない。頭にきてベースを元の場所に戻す。
夫が帰ってすぐにごはんが食べられるように夕食の支度をする。
温めて食べてください、とベタな置き手紙を気が向いたら書いて置いていく。


そうこうしているうちにバイトの時間が迫る。
だいぶ切った髪の毛も結構伸びたなと思いながらしたくもない化粧をする。
バイトの時間まで音楽を聞きながらタバコを吸う。
自転車でバイト先まで向かう。暑い。
汗をかかないように、と思えば思うほど額から汗がたれる。
早く夏が終わればいいのになと思う。
少し前は聞こえなかった蝉の鳴き声が聞こえて、ただでさえ暑いのに余計に熱を感じて心底げんなりする。


バイト先に着いて働く。
みんな良い人だ。
それなのに、きっと自分が使えないと腹の中で思いつつも表に出さず優しい立ち振る舞いをしているだけに過ぎないのだろう、もうこんなところ辞めてしまいたい、と自意識過剰な被害妄想に苛まれて悲しい気持ちになる。
でもシフトを増やしてもらったので頑張ろうと思った。
今は考えるだけではなく動かなければいけない。


バイトが終わる。
行きと違って人も車も少ない。当たり前だ。
気温は低いが湿度が昼間より高くじめじめとしている。
昼も夜も何もいいことがない。
気温や湿度や天気にここまで精神を左右される人間になると思っていなかった。


家に着く。
夫はテレビを見ていたりパソコンを触っていたり、何もしていなかったりする。
夕食を食べて食器を洗う。
風呂に入らなければいけないがなかなか入ることが出来ない。
大したこともしていないのに疲労感と倦怠感に襲われTwitterを見ることしか出来ない。
そのうちに日付けが変わる。
何もしたくない、と思いながら風呂に入る。
3時ごろになってしまっていたら寝て翌日にシャワーを浴びる。


風呂から上がると夫はすやすやと寝ている。
構わず髪の毛を乾かす。全く起きない。
寝つきが良くて羨ましい。
髪の毛を切ってからシャンプーを使う量が減ったし、すぐ乾くし楽だな、なんて思っていたが最近はもう伸びてきてあまり利便性を感じなくなった。
乾かし終わったらタバコを吸う。
寝床につく。
寝られない。全く寝られない。
目を閉じた時に見える赤と青と緑の小さな粒を見る。
眠気が全くこない。
携帯で時間を確認する動作を何度もする。
寝られない。
寝床を出てもう一服する。戻る。
寝られない。
外がうっすらと明るくなってきて焦り出す。
寝られない。
この季節はすぐ明るくなるから嫌いだと心の中で夏に悪態をつく。
寝られない。
寝られない、寝られない、を繰り返して気づいた頃には寝ている。


起きる。