読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

サルスベリ

生活備品を買いに行く薬局へ行く途中の道にサルスベリの木がある。

桃色の花が咲いていて綺麗だ。

でも私はサルスベリの花よりも木の肌の方が好きなのだ。

普通の木のボコボコした肌と違ってツヤツヤしている。

木の肌がツルツルしているから猿が登ると滑る、だからサルスベリって言うんだよ。

と、死んだ祖母に小さい頃教えてもらったことがある。

その理由を聞いてから私はサルスベリが好きになった。
どのくらいの時代のどの人間がサルスベリという名前をつけたのかは知らないが、とてもセンスがあると思った。

祖母は植物に詳しかった。

他にも色んな植物の名前や種類を教えてもらったが忘れてしまった。

死んだ人間が教えてくれたことは当然のことだがもう二度と聞けない。

今思えば祖母がなんの花が好きだったのか、どの食べ物が好きだったのか、何色が好きだったのか、なにも思い出せない。

そこにあったはずの事実が無くなってしまったような感覚になり、悲しい気持ちになった。